故人が残した写真や手紙、そしてデジタルデータなど、あらゆる情報は、故人自身のプライバシーに関わるものです。
これらの情報を適切に処理しなければ、詐欺や不正利用に遭うリスクがあり、遺族や故人自身に大きな被害をもたらす可能性があります。
本記事では、故人の個人情報を安全かつ適切に処理するための具体的な方法を解説します。
□故人の個人情報を厳重に管理する重要性
故人の個人情報は、生きている人の情報とは異なり、法律で保護の対象外とされています。
しかし、だからといって管理を怠ると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
*故人の個人情報が漏洩することで起こるトラブル
故人の個人情報が漏洩すると、詐欺や不正利用などの被害に遭う可能性があります。
1:架空請求
「故人が生前に借金していたから、遺族が代わりに支払ってほしい」のように連絡をして、高額な借金の返済を要求する詐欺です。
2:なりすまし
故人の個人情報を使って、本人になりすまして詐欺を働くケースです。
3:遺産の持ち逃げ
故人の住所や銀行口座の情報などを悪用して、遺産を不正に持ち逃げするケースです。
*故人の個人情報を守るための具体的な対策
故人の個人情報を守るためには、以下の対策が有効です。
1:個人情報が記載された書類の処理方法
公的書類やクレジットカードは、個人情報だけでなく、金銭の引き出しや契約の締結に使える効力も持っています。
そのため、一般ゴミとして捨てたり、ご自身で裁断や焼却したりすることは絶対に避けるべきです。
2:警察署への返却
免許証のような公的書類は、警察署に返却しましょう。
運転免許証返納届という書類に必要事項を記入して、手続きを進めます。
3:遺族の責任と意識
遺族は、故人のプライバシーを守る責任があります。
故人の個人情報が漏洩しないよう、細心の注意を払い、適切に管理することが大切です。
□デジタル遺品の処理方法
近年、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスに、故人の個人情報が大量に残されるようになりました。
これらのデジタル遺品を適切に処理することは、故人のプライバシーを守る上で非常に重要です。
1:デジタル遺品の処理方法
・データのバックアップ
まず、デジタル遺品をすべてバックアップします。
バックアップ方法には、外部ハードディスクやクラウドサービスなどがあります。
・データの削除
バックアップが完了したら、デジタル遺品から個人情報を含むデータをすべて削除します。
削除する際には、データ復旧ソフトなどで復元できないように、完全に削除する必要があります。
・デバイスの廃棄
データ削除が完了したら、デジタルデバイスを廃棄します。
デバイスを廃棄する際には、データが漏洩しないように、適切な方法で処理する必要があります。
2:ネット口座の処理方法
故人がネット口座を持っていた場合は、以下の手順で解約手続きを行います。
・銀行窓口への連絡
銀行窓口に連絡して、口座解約の手続きを開始します。
・必要書類の提出
死亡届や戸籍謄本などの必要書類を提出します。
・口座の解約
書類が確認されれば、口座が解約されます。
3: SNSアカウントの処理方法
故人がSNSアカウントを持っていた場合は、以下の手順でアカウントを削除します。
・アカウントの凍結
SNSの運営会社に連絡して、アカウントを凍結します。
・削除の手続き
アカウント凍結後、運営会社の指示に従ってアカウントを削除します。
□まとめ
故人の個人情報は、遺族にとって重要な責任です。
故人のプライバシーを守り、トラブルを避けるために、適切に管理することが大切です。
遺品整理をする際は、故人の個人情報の取り扱いについて十分に注意し、安全な方法で処理を行いましょう。
特に、デジタル遺品は、故人のプライバシーに関わる重要な情報を含むため、適切な処理方法を理解しておくことが重要です。